※この記事は「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」に係る届出を提出したうえで作成しています。「OnePlus Nord」は技適未取得の端末です。
こんにちは。いーるず(@eals634)です。
今回ご紹介するのはOnePlusが放ったミドルレンジモデル、「OnePlus Nord」です。私はETORENで購入しましたが、総額で51,000円程とPixel4aに近い価格帯となっています。
価格が落ちてきた型落ちモデルの7Tや8にスペックこそ劣るものの、他のミドルレンジモデルにはない心地よさが詰まった非常に満足いく一台でした。
目次
ワクワクが止まらないパッケージ
外装からワクワクが止まりません。水色のワンラインがアクセントになっている黒基調の外箱は、得も言われぬ重厚感にあふれています。(外箱、本体共にNordの文字でいっぱい。)
- 下部
- 左側面
- カメラ部分
- 上部
- 右側面
- 背面
包装を剥がすと赤裸々になったNordが登場です。この背面のデザインとカラーリング、端的に言って滅茶苦茶好みです。オーロラのような淡い色合いのカラーリングは他社でもよく見かけますが、この鮮明な水色の端末はそうそう見ない気がします。写真だと伝わりづらいのですが、ガラスが使用されているため安っぽさは感じられません。背面に二か所あるONEPLUSのロゴはくどいような気もしますが…
側面に関してはガラスではなく樹脂が使用されています。チープという感じではないですが、やはりガラスのそれとは質感が異なります。
そしてこのNord、フィルム、ケースは標準で付属しています。標準のケースは部分的にぼかしが入ったデザインになっていて、装着するとこれまたシャレオツな印象になります。
滲み加工も施されていて質感の高さを感じさせられますね。フィルムに関しては指滑りが少し悪いものの、指紋は付きにくいです。
スペックには表れませんが、見た目ってすごく大事なポイントだと思います。この見た目もOnePlus Nordを購入した大きな理由の一つです。
仕様
本筋に入る前に、OnePlus Nord及び7T、8Pro、そしてPixel4aの仕様について触れておきたいと思います。
端末名 | OnePlus Nord | Pixel 4a | OnePlus 7T | OnePlus 8 |
SoC | SDM765G | SDM730G | SDM855+ | SDM 865 |
ROM/RAM | 8(12)GB/128(256)GB
LPDDR4X/UFS2.1 |
6GB/128GB
LPDDR4X/UFS2.1 |
8 GB/128GB
LPDDR4X/UFS3.0 |
8GB(12GB)/128GB(256GB)
LPDDR4X/UFS3.0 |
ディスプレイ | 6.44インチ流体有機ELディスプレイ
解像度:2,400×1,080(408ppi) 縦横比:20:9 リフレッシュレート:90Hz sRGB、P3色域対応 |
フルスクリーン 5.8 インチ有機EL FHD+ディスプレイ
解像度:1080×2340(443ppi) 縦横比:19.5:9 HDRサポート |
6.55インチ有機ELディスプレイ
解像度:2,400×1,080(408ppi) 縦横比:20:9 sRGB、P3色域対応 2.5D Corning® Gorilla® Glass |
6.55インチ流体有機ELディスプレイ(エッジカーブ)
解像度:2,400×1,080(402ppi) 縦横比:20:9 リフレッシュレート:90Hz sRGB、P3色域対応 |
サイズ・重量 | 144.0 x 69.4 x 8.2mm
143g |
160.94×74.44×8.13mm
190g |
160.2×72.9×8.0mm
180g |
|
リア
メインカメラ: 48MP/ソニー製センサーIMX586搭載/f/1.75/OIS,EIS対応/最大1080p60fps、4K30fpsでの動画撮影対応 超広角: 深度測定: マクロカメラ: フロント メインカメラ: 32 MP/ソニー製センサーIMX616搭載/f/2.45/EIS/最大1080p・4K60fpsでの動画撮影 超広角; |
リア
12.2MP/デュアルピクセル/f/1.7/OIS,EIS対応 イン 8MP広角カメラ/f/2.0/84° |
リア
メインカメラ: 48MP/ソニー製センサーIMX586搭載/f/1.75/OIS,EIS対応/最大1080p60fps、4K30fpsでの動画撮影対応 超広角: 望遠: フロント 16MP/ソニー製センサーIMX416搭載/f/2.45/EIS/最大1080p30fpsでの動画撮影 |
リア
メインカメラ: 48MP/ソニー製センサーIMX586搭載/f/1.75/OIS,EIS対応/最大1080p60fps、4K30fpsでの動画撮影対応 超広角: マクロカメラ: フロント 16MP/ソニー製センサーIMX416搭載/f/2.45/EIS/最大1080p30fpsでの動画撮影 |
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バッテリー | 4,115mAh | 3,140 mAh | 3,800mAh | 4,300mAh |
オーディオ | モノラルスピーカー | ステレオスピーカー | デュアルステレオスピーカー ノイズキャンセリング Dolby Atmos® |
デュアルステレオスピーカー ノイズキャンセリング Dolby Atmos® |
その他 | Warp Charge 30W | Felica搭載,3.5 mm オーディオ ジャック搭載
18W急速充電対応 |
Warp Charge 30W | Warp Charge 30W |
価格(2020/09/14時点) | 48,400円(8GB/128GB)/54,500円(12GB/256GB) | 約42,900円
(Googleオンラインストア) |
51,400円(8GB/128GB) | 62,400円(8GB/128GB)/67,600円(12GB/256GB) |
ピュアアンドロイドの対極にあるOxygenOS
Pixelシリーズにはカスタマイズが施されていないニュートラルなAndroidOSが搭載されていますが、このOnePlusシリーズには付加価値が多く盛り込まれたOxygenOSが搭載されています。純粋無垢なAndroidもそれはそれで良いものではありますが、個人的には様々な機能が盛り込まれている方が好みです。
カスタムOSを搭載したスマートフォンは数多くありますが、その中でもこのOxygenOSは群を抜いて出来が良いように感じます。
概観
アクセントカラー、アイコンをはじめとする外観のカスタマイズは設定から簡単に行えますし、アプリの複製機能も搭載されています。機能は豊富ながらも階層分けがしっかりとしているので、探している項目がすぐに見つかります。それ以外にも、自動回転がオフの状態でも、端末を傾けた際にボタンひとつで回転させることが出来るなど、OS全体の使い勝手が非常に良いです。
Shelf機能
OnePlusの標準ランチャーにはShelfと呼ばれる機能が搭載されています。簡単に言えばウィジェットを縦方向に並べて表示させることが出来る領域のことでこれがなかなか便利です。上の画像は私のShelf画面ですが、音楽プレイヤー、カレンダー、アプリショートカットが一覧できます。
自動電源OFF、ON
設定した時間で電源をOFFにすることは他の機種でもできますが、指定した時間に電源をONにする機能もこのOnePlusには搭載されています。バッテリー消費も抑えられるうえに電源を入れる手間もない非常に良い機能です。
その他
その他にも良い機能、面白い機能が搭載されていたので箇条書きで紹介しておきます。
- 指紋認証後にアプリをショートカット起動
自由にアプリを追加できるので、決済系アプリの使用時に重宝しそうです。
- ジェスチャーコントロール
- 禅モード(iOSのスクリーンタイムのような機能)
- 閲覧モード(モノクロ、セピア)
また、このOnePlusNordに関しては2年間のアップデート、3年間のセキュリティパッチの配信が保障されています。アップデートも頻繁に行われている上、コミュニティを通じて改善点を募っているため、フィードバックがどんどん反映されていきます。素晴らしい…!
9月9日時点、発売からおよそ一か月という期間で7回ものアップデートが提供されています。しかもそのほとんどが不具合の修正ではなく機能改善ということですからこれまた驚きです。

心地よさを支えるハードウェア
ソフトウェアもさることながら、ハードウェアもミドルエンド、ハイエンドの良いところをかいつまんだような程よい心地よさがあります。
性能
SoCはSnapdragon765Gと800番台ではないミドルハイクラスのものですが、普段使いには全く不便さを感じることがありません。ダイサイズは865等と同じ7nm設計のため、より省電力性が増したものとなっています。
メインメモリは8GBと必要十分以上。12GBモデルのものもありますが、そこまでメモリを消費するような場面はまず無いでしょうし良い塩梅だと思います。
Antutuベンチマークの結果は32万点。60万点台のスコアを叩き出す端末も出てきていますが、実用上ストレスを感じることは殆どありません。また、SDM865に関しては発熱が激しいという報告も散見されますが、この端末に関しては発熱はさほど気になりませんでした。ベンチマークを数回走らせてみましたが34~36℃の間を推移しています。
ディスプレイ
ディスプレイはAMOLEDかつ、ミドルレンジモデルとしては稀有なリフレッシュレート90Hzという仕様。発色の良さとヌルヌル動くディスプレイが魅力的です(120Hzほどではありませんが、バッテリーの消費量を考えると実使用上最適な気がします)。
はじめはその違いにあまり気がつきませんでしたが、試しにリフレッシュレートを60Hzに切り替えてみるとその差は歴然。使えば使うほど染みてくるような心地よさを感じます。このおかげで、SoCの性能以上に体感上はヌルヌルとした動作感が得られています。その分バッテリーの消費量は激しくなりますが、SoCの恩恵、はたまたOSの影響もあるのかバッテリーの持ちはそれほど悪くありません。
画面内指紋センサーは爆速とまでは言わないものの、ストレスを感じないレベルの早さで満足です(画像をクリック[タップ]すると再生できます)。
切換スイッチ
OnePlus端末の特徴のひとつとも言えるのが、消音、バイブ、音ありを切り替えられるスイッチが搭載されている点。iPhoneのサイレントスイッチを昇華させたような仕様で、電源ボタンの上にあるため切り替えが簡単に行えます。画面が消灯している状態でもスイッチひとつでモードを切り替えられるのは非常に便利です。
Haptic Feedback
iPhone、Switch等でおなじみのHaptic Feedbackがこの端末にも搭載されています。
カメラアプリでダイヤルを弄る時の触覚がたまりません。
十分すぎるカメラ性能
このNordにはフロント*2、アウト*4の計6つのカメラが搭載されています。アウト部分のマクロカメラに関しては200万画素とおまけ程度のもので正直期待はずれでしたが、それ以外に関してはかなり健闘しているように感じました。いくつか作例を掲載しておきます。
リア:メインカメラ(広角)
12MPピクセルモードで撮影した画像です。夜景に関しては通常モード、夜景モードのどちらでもかなり明るく撮れています。但し、通常モードでの撮影時にはフラッシュがオンになっているため光が飛んでしまったり反射でつぶれてしまったりする部分がありますね。夜景モードはフラッシュ無しの撮影になるため、通常モードよりも鮮明な写真が撮影できます。ディティールも潰れておらず、メインカメラの夜景モードはかなり優秀な印象です。
※48MPモードで撮影した画像に関しては容量の都合上掲載しておりません。なるべく劣化のかからない方法でアップロードする方法を検討中です。申し訳ありません。
リア:超広角カメラ
超広角カメラに関しては暗所性能こそ高くはないものの、日中での撮影、動画撮影に関してはかなり優秀でした。以下は暗所撮影時の画像ですが、メインレンズに比べると随分暗く映ってしまいます。(但し、実際の明るさはこの写真にかなり近いです。)フラッシュもこのレンズだと使用できないため通常モードでの撮影は中々酷い様相に…
動画撮影
リアカメラでの動画撮影は広角レンズと超広角レンズが使用可能です。それぞれ1080p/60fps,4K30fpsまでの撮影が可能で、撮影中に画角を切り替えることもできます。
また、Super Stableというモードも搭載されており、画質、フレームレートが1080p/4K 30fpsに制限されるものの、超強力な手振れ補正を有効にすることもできます。
メインカメラにはOIS(光学式手振れ補正)が搭載されていますが、広角カメラにはOISが搭載されていません。ただ、画角が広いおかげなのか想像よりも手振れが少なく、画質に関しても申し分ない出来でした。
おまけ:かなり暗い場所でも撮影してみましたが流石にモーションブラーがキツイ印象です。
リア:マクロ
マクロカメラに関しては解像度が200万画素と、どうしても粗さの目立つ写真になってしまいます。また、寄らないといけない分写真全体が暗くなってしまうのが痛いところです。正直使い物にはならないレベル。
フロント:標準
フロントカメラの標準レンズにはソニー製IMX616センサーが搭載されています。Mate30Proにも採用されているセンサーですね。4K60FPSまでの動画撮影に対応しています。
顔を写すわけにもいかず良い写真が撮れていないのですが、暗所で撮影した際の画像を一枚だけ掲載しておきます。
明るさはリアカメラの超広角に近いレベルだと思います。
フロント:超広角
超広角カメラは800万画素108°という力のいれよう。1080p/4K、それぞれ30fpsまでの動画撮影も可能です。
こちらも暗所での写真を一枚だけ。
こちらも似たような明るさですね。両者ともに真っ暗な中で撮影したものではありますが、やはり無灯火だと厳しいでしょうか。
フロントカメラ及びリアカメラに関しては、YouTubeに、考になる動画が多数アップロードされているのでもしよろしければご参照ください。以下はPhandroid氏の動画です。
お世辞にも性能が高いとは言えないレンズもあるものの、様々なバリエーションで撮影を楽しめるのは魅力的だと思います。特にリアカメラ:標準の暗所撮影能力、手振れ補正は垂涎ものです。また、カメラに関してはアップデートが頻繁に行われていることから、この記事内の写真も随時更新していく予定です。特に夜景に関しては十分なサンプルが撮れていないため、なるべく早急に更新したいと考えています。
ゲームプレイ
ここが一種の分かれ目になりそうなところですが、私が普段プレイするガルパを筆頭とする音ゲーに関しては全く問題なく動作しました。
下記はガルパを、Live2Dモード・カットインをオンの状態で1080p60fpsで録画したものです。
PUBGモバイルに関しては下のような設定が選択可能となっています(HDR、ウルトラ)。
デレステに関してはグランドモードの最高設定(3Dリッチ)でもカクツキ無く動作するレベルです。
私自身、そこまで負荷のかかるゲームをスマホでプレイしようとは思わないので、これくらいの性能がある種丁度良いように感じています。もちろんSoCの性能が良いに越したことは無いのですが、あくまでもミドルレンジモデルです。加えて、比較的性能を必要とするアプリ群が動作している点を鑑みると、ゲームプレイにも耐えうる性能はあるように思えます。また、ARM製のGPU『Mali』を搭載しているSoC(Mediatek社製のSoC,Huawei端末のKirin等)はアプリ側での最適化が行われていないケースも多く見られます。Adrenoを搭載しているSDM765Gはそうした点においても優位でしょう。
バッテリー
90Hz駆動のディスプレイを搭載している割にはバッテリーの持ちは良い方だと思います。以前使用していたMate 10 Proには幾分か劣りますが。以下は60Hz駆動時、90Hz駆動時のバッテリー消費グラフです。同様の使い方をしていないため純粋な比較はできませんが、やはり60Hzの方がバッテリーの持ちは良いように感じます。ただ、こうしてグラフを比較してみると大きな差はみられませんね。不思議です。
また、記事執筆時までに2週間程度使用していますが、機械学習の恩恵なのか、90Hz駆動でもバッテリーの持ちが向上しているように感じました。
残念な点
ここからは使用していて感じた残念な点について。削るべきところを削っているというような感じがします。
UFS2.1
OnePlus 8ではUFS3.0規格のストレージが搭載されていましたが、NordではUFS2.1規格のものに格下げされています。実用上は十分な速度を出してくれているので気にするほどではないのかもしれません。読み書きの速さは使い心地に直結する部分でもあるので個人的には妥協してほしくありませんでしたが…
モノラルスピーカー
残念ながらこの端末、ステレオスピーカーではありません。音質自体は平々凡々といった感じですが、片側からしか音がでないのはどうにも違和感があります。内蔵スピーカーを使う場面はそれほど多くないですけどね。
SDカードスロット非搭載
ストレージの拡張ができないのは残念。楽曲ファイル等をローカルに保存しておきたいタイプの人間なので128GBの内部ストレージだけでは心許なく感じてしまいます。
3.5mmステレオジャック非搭載
これもかなり残念なポイント。ここ最近、再びジャックを搭載した端末も増えつつあるだけに悔やまれるところです。
Qi(無接点充電)非対応
無接点充電には非対応です。上位機種との差別化の意味合いもあるのかもしれません。
ただし、付属の充電器とケーブルを使用することで30WのWARPチャージ(超急速充電)ができるため、そこまで不便に感じることはありませんでした。
デュアルパンチホール
インカメラ部分のデュアルパンチホール、やはり気になります。20:9と縦に長いディスプレイなので普段使いの上ではそこまで邪魔に感じることは無いのですが、ゲームプレイ時や動画像を閲覧する際、どうしても目立ってしまいます。
最後に
私たちが普段スマホを使う中で、高い処理能力を必要とする場面はそこまで多くないように感じます。Antutu60万点台のスマホと30万点台のスマホを比べたところで体感2倍の差があるわけでもありません。もちろん細かなところでその性能差は如実に出てくるのですが、700番台のスナドラといえども2世代前のフラッグシップレベル相当の性能はあるわけです。
その点においてこの端末は、SoCはソコソコに抑えつつ、90Hzディスプレイ、上位機種に勝るとも劣らないカメラを搭載するなど、全体的な構成が本当によく考えられているように感じます。(この辺りはPixel4aも秀逸だと思います。)
さらに、800番台のSDMを搭載していないためハイエンドモデルよりもバッテリーの消費、発熱が緩やかです。
そして何より、外観は他の端末のいずれとも異なる魅力溢れる仕上がりになっています(デュアルパンチはともかく…)。
OnePlus7Tや8との価格差を考えると微妙なラインではありますが、OnePlusの廉価モデル、OxygenOSの入門機としての完成度は間違いない逸品です。
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